将来への不安と大きな成功への憧れ、その相反する願いを両立させる考え方がバーベル戦略です。
この戦略で最も重要なのは、資産や時間を「極端に安全なもの」と「極端にハイリスクなもの」の2つに分け、中間を捨てることです。
この記事では、提唱者ナシーム・タレブの思想を基に、投資や資産運用でのポートフォリオの組み方からキャリアや人生への応用まで、具体的なやり方を3つの事例でわかりやすく解説します。

守りを固めるのは大事だけど、それだけじゃ資産は増えないし…。

そのジレンマこそ、守りと攻めを両立させるバーベル戦略で解決できます。
- バーベル戦略の基本的な意味とメリット・デメリット
- 投資における具体的なポートフォリオの組み方
- 副業や転職などキャリアプランへの応用方法
- コアサテライト戦略など分散投資との明確な違い
バーベル戦略とは?安全と挑戦を両立する考え方

将来への漠然とした不安を抱えながらも、大きな成功を夢見るあなたへ。
その相反する願いを両立させる考え方が「バーベル戦略」です。
この戦略の最も重要な点は、資産や時間を「極端に安全なもの」と「極端にハイリスク・ハイリターンなもの」の二極に分け、その中間を意図的に排除することにあります。
この両極端なアプローチによって、予測不能な時代を生き抜くための強さを手に入れることができます。
ここでは、バーベル戦略の基本的な考え方を4つの側面から解説します。
| 見出し | ポイント |
|---|---|
| 資産の大部分を安全資産に置く守りの戦略 | 資産の9割近くを元本割れリスクが低い資産で固める |
| 残りの一部をハイリスク・ハイリターン資産へ | 失敗しても許容できる範囲で大きなリターンを狙う |
| 提唱者ナシーム・タレブと著書「反脆弱性」 | 不確実な出来事から利益を得るための思想的背景 |
| 予測不能な事態ブラック・スワンに備えるリスク管理術 | 誰も予測できない危機を乗り越えるための具体的な備え |
バーベル戦略は単なる投資テクニックではなく、キャリアや人生設計にも応用できる思考法です。
この考え方を理解すれば、不確実性への向き合い方が変わります。
資産の大部分を安全資産に置く守りの戦略
バーベル戦略の土台となるのは、元本が保証されているか、それに近いレベルで価格変動のリスクが極めて低い「安全資産」です。
この守りを固める部分が、戦略全体の安定性を支えます。
具体的には、全資産の85%〜90%という大部分を、現金や預貯金、個人向け国債(変動10年)といった安全資産に配分します。
これにより、万が一市場が暴落するような事態が起きても、致命的なダメージを受けることを避けられます。

守りを固めるのが大事なのはわかるけど、それだけじゃ資産は増えないよね?

その通りです。だからこそ、残りの資産で積極的に攻めるのがバーベル戦略の面白さですよ。
この強固な守りがあるからこそ得られる精神的な安心感が、次のステップである思い切った挑戦への意欲につながるのです。
残りの一部をハイリスク・ハイリターン資産へ
安全資産で守りを固めたら、残りの一部で積極的にリターンを狙います。
ハイリスク・ハイリターン資産とは、大きな成長が期待できる一方で、最悪の場合は価値がゼロになる可能性も受け入れる資産のことです。
重要なのは、資産の10%〜15%という、万が一失っても生活に影響が出ない範囲に投資を限定することです。
この資金で、米国の成長株ファンドや将来性が期待できる個別株、暗号資産といった資産への投資を検討します。
| 資産の種類 | 具体例 | ポートフォリオの割合 |
|---|---|---|
| 安全資産 | 現金、預貯金、個人向け国債(変動10年) | 90% |
| ハイリスク・ハイリターン資産 | 新興国株式インデックスファンド、個別グロース株 | 10% |
この小さな投資が10倍、100倍に化けるような成功を収めたとき、ポートフォリオ全体のリターンは大きく向上します。
大失敗しても損失は限定的、大成功すれば利益は青天井という非対称な結果を狙うのが、この戦略の攻めの部分です。
提唱者ナシーム・タレブと著書「反脆弱性」
このユニークな戦略を提唱したのは、思想家であり、元ヘッジファンド運用者でもあるナシーム・ニコラス・タレブ氏です。
彼は自身の経験と思索から、現代社会の不確実性とどう向き合うべきかを問い続けてきました。
バーベル戦略は、彼の著書『反脆弱性』の中で、予測不能な衝撃を受けたときに、もろく壊れてしまうのではなく、むしろその経験から利益を得てより強くなるための具体的な方法論として紹介されています。
つまり、ランダムな出来事やストレスから恩恵を受ける仕組みを意図的に作る考え方なのです。
単なる資産運用の手法にとどまらず、タレブ氏が提唱するバーベル戦略は、予測不可能な世界でしなやかに生き抜くための哲学と言えるでしょう。
予測不能な事態ブラック・スワンに備えるリスク管理術
タレブ氏は、現代を理解する上でブラック・スワンという概念を提示しました。
これは「発生する可能性が極めて低いと皆が考えているにもかかわらず、一度起こると市場や社会に破滅的な影響をもたらす予測不可能な出来事」を指す言葉です。
過去を振り返ると、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックなど、まさにブラック・スワンと呼べる出来事が私たちの生活を一変させてきました。
これらの危機を事前に正確に予測することは誰にもできません。

たしかに、あんなことが起きるなんて誰も予測できなかった…

バーベル戦略は、そうした予測不能な事態が起きることを前提としたリスク管理術なのです。
バーベル戦略を用いることで、ブラック・スワンが襲来しても資産の大部分は安全に守られます。
そして、混乱した市場の中で生まれる千載一遇のチャンスを掴むための余力を残すことが可能になるのです。
バーベル戦略のメリットとデメリット

バーベル戦略を実践する上で、その長所と短所を正しく理解しておくことが最も重要です。
メリットだけに目を向けるのではなく、どのような状況で不利になるのかも把握することで、より効果的にこの戦略を活用できます。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 損失リスク | 大部分の資産が安全なため、大きな損失を避けやすい | — |
| 期待リターン | 小さな投資で、予測不能な大きな利益が期待できる | 市場が安定成長している局面では機会損失の可能性 |
| 心理的影響 | 「最悪の事態は避けられる」という安心感が挑戦を後押し | — |
| 運用・管理 | — | 資産配分に正解がなく、定期的な見直しが必要 |
このように、バーベル戦略は精神的な安定を保ちながら大きなリターンを狙える一方で、安定期には機会損失を生む可能性や、継続的な見直しが必要という側面も持ち合わせています。
メリット 大きな損失リスクの限定
バーベル戦略の最大のメリットは、資産の大部分を安全資産に置くことで、致命的な損失を被るリスクを極限まで低減できる点にあります。
例えば、資産の90%を個人向け国債や預金などの元本保証に近い商品で固めることで、万が一ハイリスク資産に投じた10%がゼロになったとしても、全体の資産は90%が守られます。
これは、ミドルリスクの資産に100%投資する戦略とは根本的に異なる考え方です。

投資で全財産を失うような事態だけは避けたいんだよな…

守りを固めることで、安心して攻めの投資ができますよ
この「守り」の堅牢さが、不確実性の高い市場においても安心して資産運用を続けるための土台となります。
メリット 予測不能な大きなリターンへの期待値
バーベル戦略は、損失を限定しつつも予測できないほどの大きなリターン(アップサイド)を狙えるという特徴を持っています。
資産の残り10%を、将来10倍、100倍になる可能性を秘めた新興企業の株式や、新しいテクノロジーに関連する資産に投資します。
多くの挑戦は失敗に終わるかもしれませんが、その中のたった一つが大きく成功すれば、ポートフォリオ全体のリターンを押し上げる効果が期待できるのです。

NISAのインデックス投資だけだと、ちょっと物足りない気もするんだよね

少額で大きな夢を買うような感覚に近いかもしれませんね
これこそが、提唱者タレブの言う「ブラック・スワン(予測不能で大きなインパクトを与える事象)」を味方につける戦略です。
メリット 精神的な安定がもたらす挑戦への意欲
資産の大部分が安全であるという事実は、「最悪の事態にはならない」という精神的な安定をもたらします。
この心理的な安心感が、「たとえ失敗しても失うのは資産の10%だけだ」という割り切りを生み、普通なら躊躇してしまうようなハイリスクな挑戦へのハードルを下げてくれるのです。
投資判断が感情に左右されにくくなる点も大きな利点と言えます。

リスクを取りたいけど、やっぱり夜も眠れなくなるのは怖いな…

生活基盤が安定しているからこそ、思い切った挑戦ができるのです
守りが盤石だからこそ、大胆な攻めの一手を打つことができるようになります。
デメリット 市場の安定成長期における機会損失
バーベル戦略のデメリットは、市場全体が安定して右肩上がりに成長している局面では、他の投資戦略に比べてリターンが劣後する可能性があることです。
例えば、市場平均に連動するインデックスファンドのようなミドルリスク・ミドルリターンの商品に資産の100%を投じている投資家は、年率5〜7%といった安定したリターンを享受できます。
一方で、バーベル戦略では資産の90%がほとんどリターンを生まないため、全体の収益率では見劣りする期間が続く場合があります。

みんなが儲かっている時に自分だけ乗り遅れるのは嫌だなあ

バーベル戦略は、平時ではなく有事に真価を発揮する戦略と心得ましょう
大きな変動がない相場では、機会損失という形でデメリットが顕在化します。
注意点 資産配分の正解がなく定期的な見直し
バーベル戦略を実践する上で注意すべきなのは、安全資産と危険資産の配分に「9対1」といった絶対的な正解がない点です。
この比率は、個人の年齢や収入、リスク許容度によって異なります。
例えば、20代であれば「8対2」、リタイア間近の60代であれば「9.5対0.5」というように、自身の状況に合わせて調整することが求められます。

自分に合った配分って、どうやって見つければいいんだろう?

まずは失っても生活に影響のない少額から始めて、心地よいと感じるバランスを探るのがおすすめです
また、市場環境の変化やライフステージの移行に合わせて、定期的にポートフォリオの配分を見直す(リバランスする)手間がかかることも覚えておく必要があります。
バーベル戦略のやり方3つの事例

バーベル戦略は、投資の世界だけでなく、私たちのキャリア形成や日々の時間の使い方にも応用できる、とても実践的な考え方です。
ここでは、具体的な3つの分野で、どのようにバーベル戦略を活かせるのかを見ていきましょう。
| 分野 | 安全(守り)の例 | 挑戦(攻め)の例 |
|---|---|---|
| 投資・資産運用 | 元本割れリスクの低い国債や預金で資産の大半を保有 | 値動きの大きい新興国株式や個別グロース株に少額投資 |
| キャリア・副業 | 安定した収入と雇用が確保された本業 | 未経験の分野や新しいスキルを活かした副業 |
| 人生・時間の使い方 | 規則正しい生活習慣や健康的な食生活 | 長期休暇を利用した海外一人旅や新しい趣味への挑戦 |
これらの事例からわかるように、バーベル戦略は「安定」という土台をしっかりと固めるからこそ、「挑戦」が活きてくる思考法です。
分野ごとに具体的なやり方を解説します。
事例 投資や資産運用でのポートフォリオ
投資におけるバーベル戦略とは、資産を「極めて安全な資産」と「ハイリスク・ハイリターンな資産」の両極端に振り分けるポートフォリオを組むことを指します。
例えば、総資産の90%を、元本割れのリスクが極めて低い個人向け国債(変動10年)や大手銀行の定期預金といった安全資産で固めます。
そして、残りの10%を、将来大きな成長が期待できる米国のNASDAQ100に連動するインデックスファンドや、応援したいベンチャー企業の株式といった危険資産に振り分けます。
| 資産の種類 | 割合の目安 | 具体例 | 期待される役割 |
|---|---|---|---|
| 安全資産 | 80%~90% | 個人向け国債、定期預金、短期国債 | 資産の保全、精神的安定の確保 |
| 危険資産 | 20%~10% | 新興国株式、グロース株、暗号資産 | 大きなリターンの獲得、ポートフォリオ全体の成長 |

普通の分散投資と何が違うんだろう?

中間的なリスクの資産を意図的に排除する点が大きな違いです。
このポートフォリオを組むことで、万が一市場が暴落しても資産の大部分は守られます。
一方で、危険資産に振り分けた一部が大きく成長した場合、その恩恵をしっかりと受け取ることが可能です。
事例 キャリアや副業でのスキル形成
キャリアにおけるバーベル戦略とは、安定した本業で生活基盤を確保しながら、空き時間を使って全く異なる分野のスキル習得や副業に挑戦する働き方を意味します。
平日は会社員として月収30万円の安定した給与を得て、生活の基盤を固めます。
その上で、週末の時間を利用してプログラミングスクールに通ったり、クラウドソーシングサイトでWebライターの仕事を受注したりして、新しい収入の柱を作る挑戦をします。
| 項目 | 安全(守り)の戦略 | 挑戦(攻め)の戦略 |
|---|---|---|
| 働き方 | 安定した企業での正社員 | 未経験分野での副業、週末起業 |
| スキル | 本業で求められる専門スキル | プログラミング、動画編集、デザイン |
| 収入源 | 会社からの給与 | 副業収入、ブログの広告収入 |

本業と関係ない副業でも意味があるのかな?

本業が安泰だからこそ、失敗を恐れず新しい可能性に挑戦できるのです。
本業というセーフティネットがある安心感が、副業での大胆な挑戦を後押しします。
たとえ副業がうまくいかなくても、生活が破綻する心配はありません。
このアプローチによって、リスクを管理しながら自身の可能性を広げられます。
事例 人生や時間の使い方への応用
バーベル戦略は、日々の生活習慣や時間の使い方にも応用できます。
これは、心身の健康を維持する安定した日常と、新しい経験をもたらす非日常的な挑戦を意図的に組み合わせる考え方といえるでしょう。
普段の生活では、毎日7時間の睡眠を確保し、栄養バランスの取れた食事を心がけて、健康という土台をしっかりと固めます。
その一方で、年に1度は長期休暇を取得し、これまで行ったことのない国へ一人旅に出かけるといった、非日常の体験に時間を使います。
| 項目 | 安全(守り)の習慣 | 挑戦(攻め)の活動 |
|---|---|---|
| 健康 | 規則正しい生活、バランスの良い食事、定期的な運動 | フルマラソンへの出場、ファスティング体験 |
| 学習 | 専門分野の書籍を読む、毎日決まった時間に勉強 | 異業種交流会への参加、社会人大学院への進学 |
| 人間関係 | 気心の知れた友人や家族と過ごす | 新しいコミュニティに参加する、一人旅に出る |

毎日同じことの繰り返しで退屈に感じることがある…

日常の安定があるからこそ、非日常の挑戦がより一層輝きます。
退屈にさえ感じるかもしれない安定した日常は、新しいことに挑戦するためのエネルギー源となります。
安定と挑戦のメリハリをつけることで、人生はより豊かで充実したものになるのです。
従来型の分散投資との違い
バーベル戦略と従来型の分散投資は、資産を分けるという点で似ていますが、その根底にある思想は全く異なります。
最大の違いは、バーベル戦略が「予測できないリスク」を前提に、中間的なリスクを意図的に排除する点です。
一般的な分散投資が様々なリスク水準の資産を組み合わせることで全体のリスクを平準化しようとするのに対し、バーベル戦略は極端な二極化を目指します。
| 項目 | バーベル戦略 | 従来型の分散投資 | コアサテライト戦略 |
|---|---|---|---|
| リスクの取り方 | 極端な二極化(超安全と超ハイリスク) | 幅広いリスク水準の資産を組み合わせる | 安定的なコアと積極的なサテライト |
| 資産配分の特徴 | 中間リスクの資産を意図的に排除 | 様々な資産クラスへの分散が中心 | コア部分がポートフォリオの大部分 |
| 主な目的 | 大きな損失を避けつつ、想定外の利益を狙う | ポートフォリオ全体のリスクを低減させる | 安定運用を基本に、リターン向上を目指す |
この根本的な違いを理解することで、ご自身の資産運用やキャリアプランにどちらの考え方が合っているのかが見えてきます。
中間リスクを意図的に排除する二極化という思想
バーベル戦略の最も特徴的な考え方が、「中間リスク」の資産をポートフォリオから意図的に排除するという思想です。
これは、結果の予測がつきにくく、中途半端なリターンしか期待できない資産を持つことを避けるためのアプローチといえます。
一般的な分散投資では、例えばリスク水準が5段階あるとすれば、2〜4に該当するようなミドルリスク・ミドルリターンの金融商品を組み入れることがよくあります。
一方でバーベル戦略は、リスク水準1の「極めて安全な資産」と、リスク水準5の「ハイリスク・ハイリターンな資産」の両極端にのみ資産を配分します。
中間の選択肢を持たないことで、ポートフォリオ全体の見通しをシンプルにするのです。

いろんなリスクを混ぜるのが分散投資だと思っていました。

バーベル戦略は、予測が難しい中途半端なリスクこそ避けるべきだという考え方です。
この二極化という思想によって、予測不能な経済危機(ブラック・スワン)が起きても致命的なダメージを避けられます。
同時に、一部のハイリスク資産が大きな成果を生んだ際には、その利益を享受できる体制を構築するのです。
コアサテライト戦略との比較
バーベル戦略は、安定的な「コア」と積極的な「サテライト」に資産を分ける「コアサテライト戦略」としばしば比較されます。
どちらも資産を役割分担させる点では共通していますが、コア部分に置く資産の種類が根本的に異なります。
コアサテライト戦略では、コア資産として全世界株式のインデックスファンドのように、ある程度のリスクを取りつつ市場の平均的な成長を目指す商品が選ばれることが多いです。
これに対してバーベル戦略では、守りの資産には個人向け国債や預金など、元本が保証されているレベルの極めて安全なものを置きます。
攻めと守りの資産を、よりはっきりと分けているのがバーベル戦略です。
| 戦略 | 守りの資産(コア)の例 | 攻めの資産(サテライト)の例 |
|---|---|---|
| バーベル戦略 | 個人向け国債、預金 | 新興国株式、ベンチャー投資、仮想通貨 |
| コアサテライト戦略 | 全世界株式インデックスファンド | 個別株、テーマ型ETF、アクティブファンド |
このように、2つの戦略は似ているようで、リスクに対する哲学が大きく違います。
自分のリスク許容度や目指すゴールを考え、どちらの戦略が自身の考え方に近いかを見極めることが大切になります。
よくある質問(FAQ)
バーベル戦略は、投資の初心者でも始められますか?
はい、始められます。
バーベル戦略の考え方は、資産を「徹底的に守る部分」と「積極的に攻める部分」に分けるというシンプルなものです。
まずは資産の大部分を預貯金や個人向け国債といった安全資産で固めることから始めるため、投資の第一歩としても取り組みやすい手法です。
危険資産への投資で大きな損をするのが怖いのですが…
その不安を解消するのが、バーベル戦略の大きなメリットです。
この戦略では、危険資産に投じるお金を「万が一失っても生活に影響が出ない範囲」に限定します。
資産の大部分は安全資産で守られているため、精神的な安定を保ちながら挑戦できます。
これは、最悪の事態をあらかじめ想定したリスク管理の手法です。
NISAとバーベル戦略はどのように組み合わせられますか?
NISA口座を活用してバーベル戦略を実践することも可能です。
例えば、NISAの「つみたて投資枠」で債券ファンドなどの比較的安全な商品を積み立てて守りを固め、「成長投資枠」で個別株式や新興国の株式ファンドといったハイリスク・ハイリターンな資産に少額を振り分ける、というやり方が考えられます。
ご自身のポートフォリオ戦略に合わせてNISAの非課税メリットを活かしましょう。
キャリアでのバーベル戦略について、転職や副業以外の具体例はありますか?
はい、現在の仕事の中でも応用できます。
例えば、日々の業務時間の8割は、安定して成果を出せる得意な業務(守り)に集中します。
そして残りの2割の時間を使って、失敗する可能性はあっても会社や自己の成長につながる新規プロジェクトや新しいスキルの習得(挑戦)に取り組む、といった働き方です。
ナシーム・タレブの言う「反脆弱性」とバーベル戦略はどう関係するのですか?
「反脆弱性」とは、予測不能な衝撃(ブラック・スワン)が起きた際に、ダメージを受けるどころか、むしろそこから利益を得て強くなる性質のことです。
バーベル戦略は、この反脆弱性を実現するための具体的なやり方となります。
市場の暴落が起きても安全資産で資産の大部分が守られ、攻めの資産で安くなった株式を買い増すチャンスを得られるなど、衝撃を利益に変える仕組みを意図的に作るのです。
コアサテライト戦略とバーベル戦略、どちらを選ぶべきか迷います
どちらの戦略が良いかは、あなたの投資に対する考え方によって異なります。
市場全体の安定的な成長の恩恵を着実に受けたいと考えるなら、中間的なリスクを取るコアサテライト戦略が向いています。
一方で、予測不能な大きな変化に備えつつ、低い確率で得られる非常に大きな期待値を狙いたい場合は、二極化を特徴とするバーベル戦略が適しています。
まとめ
この記事で解説したバーベル戦略とは、資産や時間を「極めて安全なもの」と「ハイリスク・ハイリターンなもの」の両極端に分け、あえて中間的な選択肢を捨てるという考え方です。
予測不能な時代を生き抜くための、守りと攻めを両立させる知恵といえます。
- 資産の大部分を安全に保ち、残りで大きな挑戦をすること
- 損失を限定しつつ、予測不能な利益を狙えるメリット
- 投資だけでなくキャリアや時間の使い方にも応用できる範囲の広さ
今の安定した生活を守りながら、将来のために新しい一歩を踏み出したいと感じているなら、まずはあなたの資産や時間の一部を使って、小さな挑戦から始めてみましょう。

