株式投資で資産を2倍に増やす「ダブルバガー」は、将来のために資産形成を目指す多くの方にとって、決して夢物語ではありません。
この記事では、ダブルバガーという言葉の基本的な意味から、将来有望な企業を見つけるための具体的な3つのステップ、過去の成功事例、そして投資のリスクまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

投資初心者でも、本当にダブルバガーって見つけられるの?

はい、正しい手順を踏めば、その可能性を大きく高められます
- ダブルバガーの基本的な意味
- 未来のダブルバガー候補を見つける3つのステップ
- ダブルバガーを達成した企業の事例
- 投資のリスクと賢い始め方
ダブルバガーの基本知識、株価2倍の意味
株式投資の世界には、資産を大きく増やす可能性を秘めた魅力的な言葉がいくつもあります。
その中でも、特に投資家の心を躍らせるのが「ダブルバガー」です。
これは、株価が購入した時の2倍に成長する銘柄を指す言葉で、多くの投資家が目指す目標の一つになっています。
この章では、ダブルバガーの基本的な意味から、そのユニークな語源、そしてさらに大きな目標である「テンバガー」との違いまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
| 用語 | 株価の上昇倍率 | 概要 |
|---|---|---|
| ダブルバガー | 2倍 | 本記事で解説する、株価2倍を目指す投資目標 |
| テンバガー | 10倍 | 株価10倍を目指す、より大きなリターンを狙う投資目標 |
これらの言葉の意味を正確に理解することは、株式投資で成功するための第一歩です。
まずは身近な目標として、ダブルバガーについて深く学んでいきましょう。
購入時の株価が2倍になる投資銘柄
ダブルバガーとは、購入したときの株価から2倍に成長する可能性を秘めた投資銘柄を指す金融用語です。
将来の成長が期待される企業の株を買い、その価値が大きく上昇することで資産を増やすことを目指します。
例えば、株価500円の企業の株を100株、つまり5万円分購入したとします。
その企業の業績が伸びて株価が1,000円に上昇した場合、資産価値は10万円になります。
このように投資額が2倍になった状態を「ダブルバガーを達成した」と表現します。
これは、将来性のある企業を見つけ出し、その成長を信じて投資を続けることで得られる大きな成果です。

そんなに株価が上がる会社って本当にあるの?

はい、実際に多くの企業がダブルバガーを達成しています
企業の成長性や市場の動向を正しく見極めることができれば、ダブルバガーの達成は決して夢物語ではありません。
野球用語の二塁打(ツーベースヒット)が語源
ダブルバガーという言葉の語源は、野球の「二塁打(ツーベースヒット)」にあります。
これは、伝説のファンドマネージャーであるピーター・リンチ氏が自身の著書の中で用いたことから広まったと言われています。
野球において、一回のヒットで一気に二塁まで進む力強いバッティングが二塁打です。
この様子を、株価が大きく上昇して資産が2倍になることに例えています。
株式市場には、ダブルバガー以外にも野球用語を由来とする言葉が存在します。
| 投資用語 | 由来となった野球用語 | 意味 |
|---|---|---|
| シングル(1倍株) | シングルヒット(単打) | 投資額とほぼ同等の価値 |
| ダブルバガー(2倍株) | ツーベースヒット(二塁打) | 株価が2倍に成長した銘柄 |
| トリプルバガー(3倍株) | スリーベースヒット(三塁打) | 株価が3倍に成長した銘柄 |
| ホームラン(4倍株) | ホームラン(本塁打) | 株価が4倍に成長した銘柄 |
| テンバガー(10倍株) | — | 株価が10倍に成長した銘柄 |
このように、スポーツに例えることで投資の成果がイメージしやすくなります。
ユニークな語源を知ると、投資の世界がより身近に感じられます。
テンバガー(10倍株)との目標値の違い
ダブルバガーと共によく使われる言葉に「テンバガー」があります。
テンバガーは、株価が購入時の10倍にまで成長する驚異的な銘柄を指します。
ダブルバガーが株価2倍を目指すのに対し、テンバガーは10倍という、さらに高い目標値を示す言葉です。
例えば、10万円の投資がテンバガーを達成すると100万円になります。
目標とするリターンの大きさに明確な差があるのです。

いきなり10倍は、なんだか現実味がないかも…

おっしゃる通りです。まずは2倍を目指すのが着実なステップです
テンバガーは全ての投資家にとっての夢ですが、その達成は容易ではありません。
そのため、多くの投資家はまずダブルバガーを現実的な目標として設定します。
ダブルバガーの達成は、テンバガーという大きな夢へ続く重要な通過点と位置づけられています。
未来のダブルバガー候補を見つける3つのステップ

将来の資産を2倍にする可能性を秘めたダブルバガーを見つけるためには、やみくもに探すのではなく、正しい手順を踏むことが重要です。
中でも一番大切なのは、これから世の中がどう変化していくのか、大きな流れを掴むことにあります。
ここで紹介する3つのステップを順番に実践することで、投資初心者の方でも、将来有望な企業を見つけ出す精度を高められます。
ステップ1、今後の成長テーマの発見
最初に、これから大きく伸びていく可能性のある「成長テーマ」を見つけ出します。
成長テーマとは、AI(人工知能)や脱炭素、DX(デジタルトランスフォーメーション)のように、社会の構造を大きく変え、今後数年から数十年単位で市場が拡大していく分野のことです。
例えば、生成AIの市場は2032年までに世界で1.3兆ドル規模に達すると予測されており、このような巨大なトレンドの中にこそ、ダブルバガーの候補が隠れています。
日々のニュースや新聞で頻繁に取り上げられるキーワードが、成長テーマを見つけるためのヒントとなります。

成長テーマって、どうやって見つければいいの?

普段のニュースや新聞でよく見るキーワードに注目してみましょう
まずはご自身が興味を持てる分野から探し始めることで、楽しみながら情報収集を続けられます。
ステップ2、関連企業の好調な業績の確認
有望な成長テーマを見つけたら、次はそのテーマに関連する企業の中から、実際に利益を出して成長している会社を探します。
ここで注目すべきは「好調な業績」であり、具体的には売上高や利益が継続的に伸びている状態を指します。
企業の公式ウェブサイトにある「IR情報」セクションの「決算短信」という資料を見れば、業績を確認できます。
最低でも過去3年以上にわたって、「売上高」と「営業利益」が右肩上がりに伸びているかをチェックしましょう。

決算書って難しそうで、どこを見ればいいかわからない…

まずは「売上高」と「営業利益」の2つの数字だけチェックすれば大丈夫です
一時的なブームに乗っただけではなく、着実に稼ぐ力を持っている企業を選ぶことが、ダブルバガー達成への近道です。
ステップ3、株価の割安度のチェック
最後に、その企業の株価が実力と比べて「割安」かどうかをチェックします。
いくら業績が良くても、すでに株価が高騰しすぎていると、そこから2倍になるためのハードルは高くなるからです。
株価の割安度を測る代表的な指標に「PER(株価収益率)」があります。
これは会社の利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す数値です。
一般的に、日経平均株価の平均PERである15倍前後を目安とし、同じ業界のライバル企業と比較して数値が低ければ、割安であると判断できます。

PERが低ければ、どんな株でも買っていいの?

成長性が低いと判断されてPERが低い場合もあるので、業績の伸びとセットで見ることが大切です
優れた業績を上げていながら、まだ市場の注目度が低く、PERが割安な水準にある銘柄こそ、将来のダブルバガー候補と言えます。
過去のダブルバガー達成企業から学ぶ成功のヒント

過去に株価が2倍以上になった企業の事例を知ることは、未来の有望株を探す上でとても参考になります。
特に大切なのは、その企業がどのような社会の変化を捉えて成長したかを理解することです。
ここでは、日本株と米国株から象徴的な2つの企業を紹介します。
| 項目 | レーザーテック | NVIDIA |
|---|---|---|
| 市場/テーマ | 半導体市場 | AI(人工知能) |
| 主な事業内容 | 半導体マスクブランクス検査装置 | 画像処理半導体(GPU) |
| 成功の背景 | 世界的な半導体需要の拡大 | 生成AIブームによるGPU需要の急増 |
| 成長のポイント | 独自技術による高い市場シェア | 既存技術のAI分野への応用 |
これらの企業に共通しているのは、時代の大きな流れに乗り、その中心的な役割を担った点です。
個別の企業の業績だけでなく、世の中全体のトレンドを読む力が重要になります。
日本株の事例、レーザーテック(半導体市場)
レーザーテックは、半導体の製造工程に不可欠なマスクブランクスという部品の欠陥を検査する装置で、世界シェア100%を誇る企業です。
最先端の半導体を作る上で、この会社の技術がなければ始まらないという点が最大の強みといえます。
スマートフォンやデータセンター、電気自動車など、あらゆる製品に半導体が使われるようになり、その需要が世界的に高まったことが成長の追い風となりました。
実際に2019年初頭に2,000円台後半だった株価は、2021年末には一時36,000円を超えるまで上昇し、約2年間で10倍以上の成長を見せました。

なぜ半導体の会社がそんなに伸びたの?

世界中のデジタル化が進み、半導体の需要が爆発的に増えたからです
レーザーテックの成功は、他の追随を許さない高い技術力と、半導体市場の拡大という大きな波を見事に捉えた結果といえるでしょう。
米国株の事例、NVIDIA(AIブーム)
NVIDIAは、元々パソコンゲームの映像をきれいに表示するための画像処理半導体(GPU)で有名な会社でした。
しかし、このGPUが持つ大量のデータを並行して処理する能力が、AIの開発に最適であることが判明し、企業の価値を一変させます。
2022年末に登場したChatGPTをはじめとする生成AIのブームにより、AIを動かすためのNVIDIA製GPUに注文が殺到しました。
その結果、2023年の1年間だけで株価は約3.4倍にまで急騰し、世界中の投資家から注目を集める存在となったのです。

ゲーム用の部品がAIで使われるなんて意外…

元々の技術が別の分野で応用され、爆発的な需要を生むことがあるんです
NVIDIAの事例は、一つの分野で培われた技術が、新しいテクノロジーの波に乗ることで全く新しい価値を生み出し、企業が飛躍的に成長することを示しています。
ダブルバガー投資のリスクと賢い始め方

大きなリターンが期待できるダブルバガー投資ですが、その裏にはリスクも存在します。
成功のためには、リスクを正しく理解し、賢く投資を始めることが何よりも重要です。
ここでは、投資を始める前に必ず知っておきたい3つのポイントを解説します。
株価が期待通りに成長しない可能性
ダブルバガー候補とされる銘柄は「将来の成長への期待」が株価に織り込まれていることが多いです。
もし企業の成長が鈍化したり、新しい技術や競合他社が登場したりすると、期待が失望に変わり株価が下落する可能性があります。
例えば、市場の予測を20%下回る決算を発表しただけで、株価が大きく下がることも珍しくありません。

せっかく見つけた成長企業でも、株価が下がることがあるんですね…

はい、だからこそ期待だけで判断せず、冷静な分析が大切になります
投資した企業の業績や市場の動向を定期的にチェックし、成長ストーリーに変化がないかを見極める姿勢が求められます。
1銘柄への集中投資を避ける分散投資の重要性
「分散投資」とは、投資先を一つの銘柄に絞らず、複数の銘柄や異なる業種に分けて投資する手法を指します。
たとえ一つの銘柄の株価が下がっても、他の銘柄が値上がりすれば、資産全体での損失を和らげることができます。
例えば、100万円を1銘柄に投じるのではなく、10万円ずつ10銘柄に分けることで、一つの企業の不祥事などで資産が半減するような事態を避けられます。

リスクを抑えるためには、複数の会社に投資するのがいいんですね

その通りです。卵を一つのカゴに盛らない、という投資の格言と同じ考え方です
特に初心者の方は、まずは3〜5銘柄程度に分散することから始め、リスク管理の感覚を養っていくことをおすすめします。
少額から始められるSBI証券や楽天証券の活用
これから株式投資を始める方にとって、最初の一歩をいかに小さく踏み出せるかは、心理的な負担を下げる上でとても大切です。
以前は株の取引に数十万円の資金が必要でしたが、現在はSBI証券や楽天証券などのネット証券を利用すれば、1株単位(単元未満株)や100円からでも投資を始められます。
| 証券会社 | 最低投資金額 | 特徴 |
|---|---|---|
| SBI証券 | 1株(数百円〜) | TポイントやPontaポイント、Vポイントが貯まる・使える |
| 楽天証券 | 1株(数百円〜) | 楽天ポイントが貯まる・使える |
これらの証券会社ではポイントを使った投資も可能ですから、現金を使うのに抵抗がある方でも、気軽に投資の世界を体験できます。
よくある質問(FAQ)
ダブルバガーの達成にかかる期間はどのくらいですか?
期間は投資する銘柄やその時々の市場の状況によって大きく異なります。
数ヶ月で達成するケースもあれば、数年単位の長い時間が必要になることもあります。
大切なのは、短期的な株価の動きに一喜一憂せず、その企業の成長を信じてじっくりと待つ姿勢です。
株価が2倍になったら、すぐに売却するべきですか?
必ずしもすぐに売る必要はありません。
株価が2倍になった後も、さらに成長を続けていく企業はたくさんあります。
その企業の将来性をどう判断するかによって、売却するか、持ち続けるかの選択が変わります。
あらかじめ「株価が2倍になったら売る」といった自分なりの投資ルールを決めておくと、判断に迷いにくくなります。
ダブルバガーの「ダブル」とは、具体的に何の2倍を指すのですか?
「自分がその株を購入したときの株価」の2倍を指します。
例えば、1株500円で買った株が1,000円に値上がりした時点で、ダブルバガーを達成したことになります。
途中で買い増しをした場合は、購入価格の平均(平均取得単価)を基準に2倍になったかどうかを判断します。
スリーバガーやテンバガーも探し方は同じなのでしょうか?
基本的な考え方は同じです。
将来の成長テーマを見つけ、業績が良く、株価が割安な企業を探すというステップは共通します。
しかし、スリーバガーやテンバガーといった大きな成長を狙う場合、より革新的な技術や圧倒的な市場シェアを持つ、爆発的な成長力が見込める企業を見つけ出す必要があります。
ダブルバガーという言葉は英語でも通じますか?
はい、「Double Bagger」という言葉は英語圏の投資家の間でも広く使われています。
このユニークな表現は、米国の伝説的な投資家であるピーター・リンチ氏が広めたため、投資に関する会話や文章でそのまま通じるのが一般的です。
なぜ野球用語が投資の世界で使われるようになったのですか?
投資の成果を野球の安打に例えることで、初心者にも分かりやすく伝えられるからです。
この使い方の由来は、著名な投資家が自身の本の中で、株価の上昇率をシングルヒットやツーベースヒット(二塁打)に例えて解説したことにあります。
野球という身近なスポーツに例えることで、多くの人が投資の魅力を直感的に理解できるようになりました。
まとめ
この記事では、株価が2倍になるダブルバガーの意味から、具体的な探し方、投資のリスクまでを解説しました。
将来の資産形成を目指す上で最も大切なのは、有望な企業を見つけ出すための具体的な3つのステップを実践することです。
- ダブルバガーとは: 購入時の株価が2倍に成長する銘柄のこと
- 見つけ方の3ステップ: 「成長テーマ」「好業績」「割安度」で候補を絞る
- 分散投資を意識して少額から始める賢い投資法
この記事で解説した3つのステップを参考に、まずはご自身が興味を持てる分野から有望な企業を探してみましょう。
少額から始められる証券口座を活用すれば、今日からでも未来の資産形成に向けた第一歩を踏み出せます。


