格闘家、ダンスパフォーマー、そして政治家として多彩な活動を展開してきた須藤元気さん。一見、肉体派のイメージが強い彼ですが、実は幼少期から精神世界やスピリチュアルな領域に深い関心を寄せてきました。今回は、そんな須藤元気さんのスピリチュアル観について掘り下げていきます。
須藤元気のスピリチュアル観の概要
幼少期からの興味とスピリチュアルへの道
バシャールとの対談内容とその影響
愛と感謝の実践方法
幼少期からの興味とスピリチュアルへの道
須藤元気さんがスピリチュアルな世界に興味を持ったのは中学生の頃からでした。当初は「いかに人生を成功させるか」という成功哲学から入り、徐々に精神哲学やスピリチュアルな領域へと関心を深めていったといいます。
「子供の頃は、”スピリチュアル”ということは、まだそこまで意識していませんでした。それでも、目に見えない力を借りることで、人生に成功したい、強くなりたい、幸せになりたい、という思いを持っていました」と須藤さんは語っています。
興味深いのは、肉体の強さを追求しながらも、同時に精神性も高めていったという点です。「肉体を使うということは、魂の成長にもなる」という考えを持ち、格闘技を単なる戦いとしてではなく、自分自身との「魂の戦い」として捉えていたのです。
スピリチュアルと科学の融合
須藤元気さんのスピリチュアル観の特徴は、スピリチュアルを科学的な視点からも捉えようとする姿勢にあります。
「スピリチュアルというのは科学でもあるし、そういった哲学も物理法則だということに最近気づいた」と述べており、見えない世界の法則性を物理法則として理解しようとしています。
例えば、「ありがとう」という言葉をエネルギー体と捉え、それを発することで「ありがとう」のエネルギーの振動数が物質化し、感謝される現象が起きると説明します。これは、思考や言葉が現実を創造するという「引き寄せの法則」に通じる考え方でしょう。
バシャールとの対談
須藤元気さんのスピリチュアル活動で特に注目されるのが、宇宙存在「バシャール」との対談です。バシャールとは、地球時間で3000年後に存在する惑星エササニの多次元的存在で、アメリカ人のダリル・アンカ氏をチャネラー(媒体)として、地球人にメッセージを伝えています。

2007年、須藤さんはダリル・アンカ氏を通じてバシャールと対談し、その内容を『バシャール スドウゲンキ』として出版しました。この本では、量子物理学、地球の未来、パラレルワールド、2012年の転換点、フリーエネルギー、宇宙の法則など多岐にわたるテーマについて語られています。
対談後、須藤さんは「感想というか、バシャールと会った3日間のことは、ほとんど覚えていないんです。後で、データを聞いて、『こんなこと話してたんだ!』という感じ。バシャールとチャネルを合わせることで、思い切り振動数を変えられていたのだと思うけれど、3日間にわたって、ほぼ催眠状態にいたような体験でした」と述べています。
シンクロニシティと直感
須藤元気さんは日常的に「シンクロニシティ」(意味ある偶然の一致)を経験しているといいます。自分がある人に連絡しようと思った瞬間にその人から連絡が来たり、悩みの答えが電車の中の広告や音楽の歌詞の中に見つかったりするといった体験です。
須藤さんはこれを「偶然ではなく必然」と捉え、「全て繋がっている」という世界観を持っています。また、直接的には守護霊とコミュニケーションは取れていないものの、間接的に質問への答えを受け取っているとも語っています。
「誰に対しても神様なりスピリットなりが答えを与えているんですけど、それを受け取らないだけなんです。見ようとしないから見えないのであって、意識すれば答えは見えてきます」と述べています。
瞑想と内観の実践
須藤元気さんは毎朝晩、瞑想を欠かさず行っています。その目的は「内観」、つまり自分の内側を見つめることにあります。
「日常生きていると色々考えたり頭脳を使うわけじゃないですか。そういったので自分のフィルターが詰まってくるんですよね。瞑想して内観すること、脳みそを止めることによってこのフィルターが綺麗になるんです。綺麗になるとその直感とか魂の声とか守護霊の声が聞こえてくる」と説明します。
特に四国遍路の旅では、21万9000回の「ありがとう」を唱え続けたといいます。須藤さんは「本当に心から思ってなくても、言葉に出すことによって、だんだんそういった思考も変わってくる」と述べ、行動が思考を変えるという逆のプロセスの重要性を強調しています。
前世体験と魂の課題
須藤元気さんは前世療法(退行催眠)を体験し、自分の前世がローマ帝国時代の軍人「セバスチャン」だったと語っています。キリスト教の信者であったセバスチャンは、信仰のために処刑されたキリスト教の聖者として知られています。
興味深いのは、須藤さんがこの体験を通して、自分の魂の課題を認識したことです。江原啓之さんの霊視によると、須藤さんの魂は長い間、山に籠もって修行する「山の行」を繰り返してきたといいます。しかし、その過程で家族や親族を置き去りにしてきたという「罪悪感」も抱えており、今生では逆に「里の行」、つまり人々の中で生きることを選んでいるというのです。
「今世での僕のテーマは、家族を大切にすることです」と須藤さんは語っています。これはより広い意味での「家族」、つまり人間関係全般を指していると考えられます。
これからの時代と精神性
須藤元気さんは、これからの時代について「集合意識が物質的なものから精神世界に移っていく」と予測しています。物欲や名誉欲などの物質的な欲求から、精神性や心の美しさを求める方向へ人類が進化していくという考えです。
「これからの時代、みんなもどんどん変わってくると思います。この集合意識が物質的なものから精神権に移ってくんではないかなというのは感じます」と述べています。
愛と感謝の実践
須藤元気さんのスピリチュアル実践の核心にあるのは「愛と感謝」です。特に「ありがとう」という言葉を日常的に唱えることの重要性を強調しています。
「愛と感謝が1番だなと思う中で、『ありがとう』という言葉を選びました」と語る須藤さん。これは単なる言葉の問題ではなく、エネルギーとしての言葉の力を信じての実践です。
また、「紫のオーラ」(愛のエネルギー)を増やすことの重要性も指摘されています。江原啓之さんによると、須藤さんは人間関係において「甘え」を許さないストイックさを持っているため、もっと「甘え」を受け入れ、人と柔らかく繋がることで愛のエネルギーが増すのだといいます。
終わりに
須藤元気さんのスピリチュアル観は、科学と精神世界を融合させ、日常生活の中で実践できる具体的な方法を提示しています。格闘技という肉体的な世界と、スピリチュアルという目に見えない世界を両立させてきた彼の経験は、私たちに新たな視点を与えてくれるでしょう。
「WE ARE ALL ONE(すべてはひとつ)」というメッセージを掲げています。その言葉には、私たち一人ひとりが繋がっているという深い意味が込められています。物質的な世界に生きながらも、精神的な世界とのバランスを取りながら生きる—そんな須藤元気さんのスピリチュアル観は、現代を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。