この記事では、夜空で形を変える月の「月相」について、その不思議な仕組みをわかりやすく解説します。
月の満ち欠けの基本から、代表的な月の種類、そして自由研究にも役立つ観察のポイントまで、太陽と地球との位置関係を軸に、皆さんにも楽しく理解できるようお届けします。

月の形って毎日変わるけど、どうしてなの?三日月とか満月以外にも名前があるの?

この記事を読めば、月の満ち欠けの謎がスッキリ解決しますよ!
- 月相の基本的な意味
- 月の形が変わる本当の理由
- 新月から満月までの代表的な月の種類と見える時期
- 自由研究に役立つ月の観察方法
地球から見える月の不思議「月相」の基本

夜空を見上げると、日によって形を変える月。
この地球から見たときの月の形の変化を「月相(げっそう)」と呼びます。
まるで月が魔法のように姿を変えているように感じるかもしれませんが、実はこれにはちゃんとした理由があるのです。
この見出しでは、月の形が変わって見えるわけ、太陽の光を映す月の満ち欠けの仕組み、そして約29.5日で一周する月のサイクル「朔望月」について、やさしく解き明かしていきます。
月相の基本を理解すれば、毎晩の月を見るのがもっと楽しくなります。
月の形が変わって見えるわけ
月が毎日少しずつ形を変えて見えるのは、月自体が伸びたり縮んだりしているわけではなく、太陽の光が月に当たる部分と、それを地球から見る角度が変わるためです。
月は、地球の周りを約1ヶ月かけて一周しています。
この動き(公転)によって、太陽、地球、そして月の位置関係が刻々と変化します。
その結果、地球から見たときに月が太陽の光を反射して光って見える部分の形が変わっていくのです。
例えば、満月は月全体が太陽の光を正面から受けているように見え、三日月は月のほんの一部だけが光って見える状態を示します。

どうして月はいろんな形に見えるの?

月が地球の周りを回りながら、太陽の光を反射する角度が変わるからですよ
この現象は、ボールに横からライトを当てて、見る位置を変えると光って見える部分が変わるのと同じ原理です。
理由 | 説明 |
---|---|
月の公転 | 月が地球の周りを約1ヶ月かけて回っていること |
太陽光の反射 | 月自身は光らず、太陽の光を反射して輝いていること |
位置関係の変化 | 公転により、太陽・地球・月の並び方が変わり、月から反射される太陽光の見え方が変わる |
つまり、月の形が変わるのは、月の見かけ上の変化であり、物理的に月が変形しているわけではありません。
太陽の光を映す月の満ち欠け
「月の満ち欠け」とは、月が太陽の光を反射することで光り輝き、地球から見えるその光っている部分が周期的に変化する現象を指します。
月は惑星ではなく衛星なので、恒星である太陽のように自ら光を放つことはありません。
私たちが夜空に月を見ることができるのは、月が太陽の光を鏡のように反射しているからです。
まるで、太陽という巨大な照明に照らされたボールが、地球の周りを回っている様子を想像すると分かりやすいでしょう。
地球と月の位置関係によって、太陽光が月のどの部分に当たり、その反射光がどれだけ地球に届くかが変わるため、新月、三日月、満月といった様々な形に見えるのです。

月って自分で光ってるわけじゃないんだね?

そうなんです。月は太陽の光を反射して、私たちにその姿を見せてくれているんですよ
この太陽光の反射の仕方が、月の満ち欠けのサイクルを生み出します。
要素 | 説明 |
---|---|
光源 | 太陽(月が反射する光の源) |
反射体 | 月(太陽光を反射して地球から見える) |
観測点 | 地球(月がどのように光って見えるかを観測する場所) |
変化の原因 | 地球の周りを公転する月の位置によって、太陽光の当たり方と地球への反射の仕方が変わるため |
太陽の光がなければ、私たちは月をほとんど見ることができません。
約29.5日で一周する月のサイクル「朔望月」
「朔望月(さくぼうげつ)」とは、月が新月から次の新月へと、満ち欠けのワンサイクルを完了するまでの期間を指し、その平均的な長さは約29.5日です。
この周期は、地球から見て月が太陽と同じ方向に位置する「朔(さく)=新月」から始まり、月が満ちていき「望(ぼう)=満月」を迎え、そして再び欠けていき次の「朔」に至るまでの時間です。
私たちのカレンダーで使われる「1ヶ月」という期間は、この朔望月の周期に非常に近いものとなっています。
実際に、太陰暦(旧暦)では、この月の満ち欠けのサイクルを1ヶ月の基準としていました。

29.5日って、だいたい1ヶ月くらいだね!

その通りです!このリズムが、昔の暦にも使われていたんですよ
この約29.5日というサイクルを理解することで、次にいつ満月が見られるか、いつ新月になるのかなどを予測できるようになります。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | 朔望月(さくぼうげつ) |
期間 | 平均約29.5日 |
開始点 | 新月(朔) |
中間点(代表例) | 満月(望) |
終了点 | 次の新月 |
意味 | 月の満ち欠けがひと巡りする周期 |
実生活との関連 | 太陰暦(旧暦)における1ヶ月の基礎 |
朔望月を意識して月を観察すると、日々の月の形の変化だけでなく、その背後にある宇宙の法則性を感じられるでしょう。
新月から満月まで・代表的な月の呼び名と見え方

夜空を見上げると、月は日々その形を変えているように見えます。
この月の形の変化を理解することは、宇宙の神秘に触れる第一歩です。
代表的な月の呼び名と、それぞれの月がどのように見えるのかを知ることで、月の観察がより一層楽しくなります。
この章では、新月から始まり、三日月、上弦の月、そして満月を通り、下弦の月へと至る、主要な月の形とその特徴について解説します。
それぞれの月が持つ意味や、見える時間帯・方角のヒントもご紹介しますので、ぜひ自由研究の参考にしてくださいね。
月の名称 | 見え方の特徴 | 月齢の目安 | 主な観察時間帯・方角のヒント |
---|---|---|---|
新月 | 地球から見て太陽と同じ方向にあり、ほぼ見えない | 0日頃 | 太陽とほぼ同じ動き(日中) |
三日月 | 細い光の弧 | 2~3日頃 | 日没直後の西の空 |
上弦の月 | 右半分が光る半月 | 7~8日頃 | 夕方~宵の南の空、真夜中に西の空へ沈む |
満月 | 全体が丸く光る | 14~15日頃 | 日没頃に東の空から昇り、一晩中見え、明け方西の空へ沈む |
下弦の月 | 左半分が光る半月 | 22~23日頃 | 真夜中過ぎに東の空から昇り、明け方に南の空、昼頃西の空へ沈む |
これらの代表的な月の形を知ることで、日々の月の変化を意識的に捉えることができるようになります。
夜空の主役である月の様々な表情を、ぜひ観察してみてください。
新月・目には見えない月のスタート
新月(しんげつ)とは、地球から見て月が太陽とほぼ同じ方向にある状態のことで、月面で太陽に照らされている部分が地球の反対側を向くため、地球からはその姿を直接見ることはできません。
新月は、月齢でいうと0日頃にあたります。
太陽と同じ方向に位置するため、日中に太陽と共に空に昇り、太陽と共に沈んでいきます。
そのため、夜空で新月を探すことは基本的にできません。
月が見えないからこそ、新しい月のサイクルの始まりを意味する神秘的な瞬間です。

新月って、本当に全く見えないの?

はい、太陽の光が地球から見て月の裏側に当たるため、肉眼では見えません
月の満ち欠けのサイクルは、この新月からスタートします。
目には見えなくても、新しい月が静かに誕生していると考えると、夜空の向こうに広がる宇宙の営みを感じられますね。
三日月・夕空にかかる細い弧
三日月(みかづき)とは、新月から数えて3日目の夕方頃に、西の空に細い弓のような形で見える月のことです。
その繊細で美しい姿は、多くの歌や物語にも登場します。
新月の後、月が少しずつ太陽から離れていくと、地球から見て太陽の光が当たっている部分が細く見え始めます。
これが三日月で、日没後、まだ空に明るさが残る西の低い空に、まるで細い爪の先のような形で浮かびます。
観察できる時間は短く、すぐに地平線の下に沈んでしまいます。

三日月って、すぐ沈んじゃうイメージがあるんだけど…

その通りです。日没後の短い時間だけ西の空に見えることが多いですね
夕暮れ時の空に浮かぶ三日月を見つけることができると、なんだか特別な気持ちになります。
儚くも美しいその光は、これから満ちていく月への期待を感じさせてくれます。
上弦の月・満ちていく右半分の月
上弦の月(じょうげんのつき)とは、新月から約7日後、月が満月に向かって満ちていく途中で、ちょうど右半分が光って見える半月のことです。
弓の弦を上に向けて張った形に見えることから、この名前が付きました。
上弦の月は、太陽が真南に来る正午頃に東の空から昇りはじめ、夕方には南の空高くに見え、そして真夜中頃に西の空へと沈んでいきます。
そのため、比較的長い時間観察することができる月です。
暗くなり始めた頃にはすでに空にあり、見つけやすい月の一つといえます。

上弦の月って、どうして「上」ってつくの?

月が沈むときに弓の弦(光と影の境界線)が上を向くことから名付けられました
これから満月へと向かう、力強さを感じさせる上弦の月。
学校から帰る時間や夕食後など、私たちの生活時間にも観察しやすい月なので、ぜひ空を見上げて探してみてください。
満月・夜空を照らすまん丸な月
満月(まんげつ)とは、地球から見て月が太陽と反対側に位置し、月の全面が太陽の光を反射してまん丸に輝いて見える状態のことです。
その明るく美しい姿は、古くから人々を魅了してきました。
満月は、新月から約15日後に見られます。
太陽が西に沈む夕方頃に東の空から昇り、真夜中には南の空で最も高くなり、そして明け方に太陽が東から昇る頃に西の空へと沈んでいきます。
つまり、一晩中、夜空を明るく照らし続けてくれるのです。

満月がいちばん明るくて見つけやすいよね!

そうですね!一晩中夜空を明るく照らしてくれる特別な月です
満月の夜は、その強い光で周囲がうっすらと明るくなるほどです。
月明かりの下で物思いにふけったり、家族や友人と月を眺めたりするのも素敵な時間となるでしょう。
下弦の月・欠けていく左半分の月
下弦の月(かげんのつき)とは、満月を過ぎて月が欠けていく途中で、ちょうど左半分が光って見える半月のことです。
弓の弦を下に向けて張った形に見えることから、この名前が付けられました。
下弦の月は、満月から約7日後(新月から数えると約22日後)に見られます。
真夜中過ぎに東の空から昇りはじめ、明け方には南の空高くに見え、そして正午頃に西の空へと沈んでいきます。
そのため、夜更かしをするか早起きをしないと、なかなか見ることが難しい月かもしれません。

下弦の月は、いつ見られるの?あんまり見たことないかも…

夜更かしするか早起きすると、東の空や南の空に見られますよ
満月を過ぎ、再び新月へと向かう下弦の月は、どこか静かで落ち着いた印象を与えます。
明け方の澄んだ空に浮かぶその姿は、一日の始まりを感じさせ、清々しい気持ちにさせてくれるでしょう。
謎解き・月の満ち欠けが起こる本当の理由

月の形が日々変わって見えるのは、とても不思議な現象ですよね。
夜空を見上げるたびに姿を変える月ですが、その満ち欠けにはっきりとした理由が存在します。
この謎を解き明かす鍵となるのは、「月が地球の周りを回ること」、「太陽と地球と月の並び方の変化」、「月自体は光っていないという事実」、そして「位置関係で変わる光の当たり方」という4つのポイントです。
これらの要素がどのように関わり合って、月の満ち欠けという現象を引き起こしているのかを、一つずつ詳しく見ていきましょう。
これらの点を理解することで、夜空の月がなぜあのように姿を変えるのか、その仕組みがはっきりと分かります。
月が地球の周りを回ること
月は地球の衛星であり、地球の周りを一定の周期で回っています。
この動きを公転と呼びます。
月が地球の周りを一周するのにかかる時間は約27.3日ですが、地球から見て月の満ち欠けが一巡する周期(新月から次の新月まで)は約29.5日です。
これは、地球も太陽の周りを公転しているため、月が満ち欠けの同じ形に戻るには、もう少し時間がかかるからです。
この約29.5日という周期は「朔望月(さくぼうげつ)」と呼ばれ、私たちの暦にも深く関わっています。
日常生活では約1ヶ月で月が地球を一周すると考えるとイメージしやすいです。

月って、ずっと同じ速さで地球の周りを回っているの?

はい、月は地球の周りを一定の周期で回り続けています。
この月の公転運動が、地球から見える月の形が変わる最初のステップとなるのです。
太陽と地球と月の並び方の変化
月が地球の周りを回ることで、太陽、地球、そして月の三者の位置関係は常に変化し続けます。
この位置関係の変化が、地球から見える月の光っている部分の形を決定づける重要な要素です。
例えば、月が太陽と地球の間にあるとき(新月)、地球が太陽と月の間にあるとき(満月)、そして月が太陽と地球に対して直角の位置に来るとき(上弦の月や下弦の月)では、地球から見える月の姿は全く異なります。
太陽の位置を基準として、月が地球の周りのどの位置にいるかによって、私たちはさまざまな形の月を目にすることになります。
月の形 | 太陽・地球・月の位置関係イメージ | 地球から見える月の部分 |
---|---|---|
新月 | 太陽─月─地球(月が太陽と地球の間) | 見えない(影の部分) |
上弦の月 | 太陽 → 月(90度)← 地球(地球から見て月の右側) | 右半分が光る |
満月 | 太陽─地球─月(地球が太陽と月の間) | 全体が光る |
下弦の月 | 太陽 → 月(270度)← 地球(地球から見て月の左側) | 左半分が光る |

太陽と地球と月がどう並ぶと、月の形が変わるの?

この3つの天体の並び方が、月の見え方を決める大切なポイントです。
このように、太陽、地球、月の相対的な位置関係が刻々と変わることが、月の多様な表情を生み出す原因となっています。
月自体は光っていないという事実
夜空で明るく輝く月を見て、「月は自分で光っている」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、月は太陽のような恒星とは異なり、自ら光を放っているわけではありません。
月が光って見えるのは、太陽の光を反射しているためです。
もし月が自分で光を放つ天体であれば、地球から見える月の形は常に同じ、つまりいつでも満月のように丸く明るく見えるはずです。
私たちの目には、月が地球の影に入って暗くなる月食の時を除き、夜空で明るく見えますが、それは太陽からの光を鏡のように反射しているからに他なりません。
地球の夜を照らす月の光は、100%太陽光によるものなのです。

え、月って自分で光ってるんじゃないの?

そうなんです、月は太陽の光を反射して輝いています。
この「月は太陽の光を反射して輝いている」という事実が、月の満ち欠けを理解する上で非常に重要なポイントとなります。
位置関係で変わる光の当たり方
月が地球の周りを公転し、太陽・地球・月の位置関係が変わること、そして月自体が光らず太陽の光を反射していること。
これらの要素が組み合わさることで、地球から見える月の光る部分の形が変化します。
具体的には、月が地球の周りを回るにつれて、太陽の光が月の表面のどの部分を照らすか、そしてその照らされた部分のうち、どれだけが地球から見えるかが変わってくるのです。
例えば、新月の時は、太陽の光は月の裏側(地球からは見えない側)を照らしているため、地球からは月がほとんど見えません。
逆に満月の時は、太陽の光が月の地球側を正面から照らすため、月全体が丸く輝いて見えます。
このように、月全体のうち太陽光が当たっているのは常に半分ですが、その光っている半分のうち、地球からどれだけの割合が見えるかが0%から100%まで変化することによって、三日月や半月、満月といった様々な形に見えるのです。

太陽の光の当たり方で、あんなに形が変わるなんて不思議!

まるで影絵のように、光の当たり方で月の表情が変わるのですね。
太陽、地球、月の位置関係によって、月面への太陽光の当たり方と、それを地球から見たときの見え方が変わることこそが、月の満ち欠けの謎を解く最終的な答えです。
自由研究にも活用・楽しい月相の観察方法

月の観察は自由研究のテーマとして非常に取り組みやすく、継続的な観察を通じて得られる発見は何ものにも代えがたい経験となります。
この章では、月相カレンダーやアプリを活用した月の動きの調査方法から、日々の変化を捉える観察記録の付け方、そしてそれらをまとめる際のおすすめ自由研究テーマとレポート作成のヒント、最後にこの観察が夜空を見上げる素敵なきっかけとなることまで、順を追って説明します。
これらのステップを踏むことで、月の満ち欠けの不思議を自分自身の目で確かめられ、科学的な視点を養う充実した自由研究が完成するでしょう。
月相カレンダーやアプリで調べる月の動き
月の観察を始めるにあたり、まずは月相カレンダーやスマートフォンの月相アプリを利用して、月の動きを事前に把握することが大切です。
月相カレンダーとは、日ごとの月の形や月齢、月の出や月の入りの時刻などが記載されているカレンダーのことを指します。
例えば、「Moon Phases Calendar」や「今日の月」といった無料アプリを活用すれば、今日見える月の形はもちろん、1週間後や1ヶ月後の月の状態まで簡単に確認できます。
これらのツールを使えば、いつ、どの方角に、どのような形の月が見えるのかをあらかじめ知ることができ、観察計画を立てやすくなります。
アプリ名 | 主な機能 | 対応OS |
---|---|---|
Moon Phases Calendar | 月相カレンダー、月の満ち欠けウィジェット、月の出入り時刻、月齢表示 | iOS, Android |
今日の月 | 今日の月齢、輝面比、月の形のアニメーション、月の出入り時刻、方角 | iOS, Android |
Star Walk 2 天体観測アプリ | 月の位置や情報に加え、惑星、星、星座の表示、天体イベントの通知 | iOS, Android |

どんな情報を見ればいいの?

観察したい日の月の形、月が見え始める時間と沈む時間、そして空のどの方角に見えるのかをチェックすると良いですよ
これらの情報を事前に調べておくことで、実際の観察がスムーズに進み、見逃しを防ぐことにつながります。
続けるとわかる月の変化と観察記録
月の満ち欠けの面白さは、継続して観察することで初めて深く理解できるものです。
1日だけの観察では部分的な姿しか捉えられませんが、毎日、あるいは数日おきでも良いので、できるだけ同じ時刻に観察を続けることが重要となります。
新月から始まり、三日月、上弦の月、満月、下弦の月を経て再び新月に戻るまで、約29.5日間のサイクルを実際に追いかけることで、その変化の規則性や月の動きを体感できます。
観察した内容は、日付、時刻、その日の天候、見えた月の形(言葉での説明に加えてスケッチがおすすめです)、月が見えた方角や空の高さ、そしてその他に気づいたことを記録ノートにまとめましょう。
記録項目 | 具体的な内容 |
---|---|
日付 | 観察をおこなった年月日 |
時刻 | 観察を開始した正確な時間(例: 午後7時30分) |
天候 | 晴れ、薄曇り、曇りなど、空の状態 |
月の形 | スケッチ、または「右側3分の1が光る月」のように言葉で具体的に描写 |
見える方角 | 東、西、南、北、あるいはそれらの中間(南東など) |
見える高さ | 地平線からの角度の目安(例: こぶし1つ分上、45度くらい、真上近くなど) |
気づいたこと | 月の色の違い、月の周りに見える明るい星、雲の流れる速さ、大気の澄み具合など |

毎日同じ時間に見るのが難しいな…

無理なく続けられる範囲で大丈夫です。数日おきでも、記録を続けることが何より大切ですよ
丁寧に記録を積み重ねることで、月の満ち欠けのパターンがはっきりと見えてきて、宇宙の壮大なリズムを実感できます。
おすすめ自由研究テーマとレポート作成のヒント
集めた観察記録は、素晴らしい自由研究の報告書(レポート)を作成するための貴重なデータとなります。
まずは、どのようなテーマで観察結果をまとめるかを決めましょう。
例えば、「1ヶ月間の月の満ち欠け観察日記」として日々の月の形の変化をスケッチと共に記録したり、「月の見える方角と時刻の関係調査」として、月の出没時刻や南中時刻の変化をまとめたりするテーマが考えられます。
レポートを作成する際は、観察の目的、観察方法、観察結果、そして結果からわかったこと(考察)や感想を順序立てて記述します。
月のスケッチを日付順に並べて貼り付けたり、月の位置の変化をグラフに示したりすると、視覚的にも分かりやすく、説得力のある報告書になります。
おすすめ自由研究テーマ例 | レポート作成のポイント |
---|---|
月の満ち欠け徹底観察レポート | 毎日の月のスケッチと形の変化理由の考察、月齢との関連付け |
月の出没時刻と見える方角の変化調査 | 約1ヶ月間の月の出、南中、月の入りの時刻と方角を記録・分析し、その規則性を発見 |
月相と私たちの暮らし(潮汐・暦・言い伝えなど) | 月の満ち欠けが潮の満ち引きや旧暦、各地の文化や言い伝えにどう影響しているかを文献やインターネットで調査 |
手作り月齢早見盤の作成とその使い方 | 観察データや月相の知識を基に、オリジナルの月齢早見盤を製作し、その使い方を説明 |

レポートってどうやって書けばいいんだろう?

まず「何を明らかにしたいか(目的)」を書き、次に「どうやって調べたか(方法)」、そして「何が分かったか(結果と考察)」、最後に「全体の感想」を書くと、立派なレポートになりますよ
自分なりの疑問点や、観察を通して新たに発見したこと、感じたことを加えると、オリジナリティあふれる自由研究レポートが完成し、学びも深まります。
夜空を見上げるきっかけ
月の満ち欠けの観察は、自由研究の課題として取り組むだけでなく、日常生活の中で宇宙の神秘に触れる素晴らしい機会となります。
日々の生活の中で、月が今どのような形をしているのか、どこに見えるのかを意識するようになると、自然と夜空を見上げる回数が増えるでしょう。
月が見えない曇り空の日でも、もしかしたら雲の切れ間から普段は気づかなかった星座や、一筋の流れ星を発見できるかもしれません。
このように空に関心を持つことで、季節の移り変わりを肌で感じたり、大気の澄み具合に気づいたりするなど、自然への感受性が豊かになります。

月以外にも何か見えるかな?

天気が良く、街の明かりが少なければ、金星や木星といった明るい惑星や、オリオン座や北斗七星のような有名な星座も見つけられるかもしれませんね
月の観察を通じて育まれた知的好奇心は、天文学の世界への扉を開くだけでなく、物理学や地学といった他の自然科学分野への興味関心をも刺激し、学びの楽しさを広げてくれるでしょう。
よくある質問(FAQ)
月の満ち欠けを自由研究で観察するとき、どんな点に注目すれば良いですか?
月の形の変化の順番や、それぞれの月が見える時間、方角を記録することが大切です。
月相カレンダーを利用して観察計画を立て、実際の月の様子をスケッチで残すと、月の満ち欠けの周期がよく理解できます。
月の満ち欠けは、潮の満ち引きや私たちの体調に関係があるのですか?
月の引力は潮の満ち引きに大きな影響を与えています。
体調や睡眠リズムとの関連については様々な話がありますが、はっきりとした科学的な理由はまだ解明されていません。
天体望遠鏡で月を見ると、肉眼とは違う何が見えますか?
天体望遠鏡を使うと、月の表面にあるクレーターという凸凹や、「月の海」と呼ばれる暗く見える平らな部分がはっきりと観察できます。
特に三日月や半月の頃、光と影の境界線(明暗境界線)近くを見ると、クレーターの影が伸びて立体的に見えます。
月相カレンダーや月相アプリは、月の観察にどう役立ちますか?
月相カレンダーや月相アプリは、その日の月の形(月相)や月齢、さらには月の出の時間や月の入りの時間といった情報を手軽に教えてくれます。
これらを利用することで、いつどんな月が見られるか事前に計画を立てられ、月の満ち欠けのサイクルを把握するのにとても便利です。
新月や満月以外にも、月の形には特別な呼び名がありますか?
はい、日本には古くから伝わる月の呼び名がたくさんあります。
例えば、満月の翌日の月を「十六夜(いざよい)」、さらに次の日を「立待月(たちまちづき)」、その次を「居待月(いまちづき)」、さらに「寝待月(ねまちづき)」、「更待月(ふけまちづき)」、そして明け方の空に見える細い月を「有明月(ありあけづき)」と呼びます。
これらは月の出の時間がだんだん遅くなる様子を表しています。
月の満ち欠けの仕組みを説明する図解やイラストを見るとき、どこに注目すれば理解しやすいですか?
月の満ち欠けの仕組みが描かれた図解やイラストを見る際は、まず太陽の光がどの方向から差しているかを確認することが重要です。
その上で、地球の周りを公転する月の位置によって、太陽に照らされた月の半分のうち、地球から見える部分(光っている部分)がどのように変化するのかを追っていくと、なぜ月の形が変わるのか、その理由が明確に理解できます。
まとめ
この記事では、夜空で形を変える「月相」について、月が地球の周りを公転し、太陽・地球・月との位置関係が変わることで、太陽の光を反射して見える月の形が変化する仕組みを詳しく解説しました。
- 月の形が変わるいちばんの理由(太陽、地球、月の位置関係)
- 新月から満月まで、代表的な月の呼び名と見え方の違い
- 月を観察して自由研究に役立てるためのヒント
この記事を参考に、ぜひ実際の空で月の満ち欠けを観察してみてください。
日々の変化に気づくことは、宇宙の面白さを感じる第一歩です。