リセッションの足音が聞こえ始め、これまで順調だった資産運用に大きな不安を感じていませんか。
景気後退期において最も重要なのは、攻めの投資を続けることではなく、計画的に資産を守るための戦略です。
この記事では、なぜリセッション対策が必要なのかという基本から、過去の金融危機から得られる教訓までを解説します。
そして、あなたの資産を不況から守るための具体的なポートフォリオ構築の5ステップをわかりやすく紹介します。

これまで順調だっただけに、資産が大きく減るのではないかと不安です…

大丈夫です、今から備えれば景気後退の波は乗り越えられますよ。
- リセッションに強いポートフォリオを構築する5つのステップ
- 守りの中心となるディフェンシブ資産(株式・債券・金)の特徴
- 過去の暴落の教訓と弱気相場での心構え
- NISAも活用した積立投資の継続の重要性
リセッション下での資産防衛、その基本となる考え方

リセッション、つまり景気後退期においては、資産を守りながら着実に育てるための基本戦略を理解することが何よりも大切です。
これまでのような成長局面とは異なる市場環境になるため、守りを固めつつ次のチャンスに備えるという視点が重要になります。
漠然とした不安を抱えるのではなく、景気後退期における投資の原則を知ることで、冷静な判断が可能となるのです。
なぜ景気後退でポートフォリオの見直しが必要なのか
景気後退期には多くの企業の業績が悪化し、株価が全体的に下落する傾向があります。
これまで資産を増やしてくれた成長株も、景気後退の局面では大きく値を下げるリスクがあるため、ポートフォリオの見直しが不可欠です。
実際に、2008年のリーマンショック時には、日経平均株価は年初来高値から約10ヶ月で50%以上も下落しました。
このような市場全体の下落は、資産配分が株式に偏っている場合、ポートフォリオに深刻なダメージを与えます。

今まで順調だったのに、投資戦略を変える必要はあるのかな?

好景気の時と不景気の時では、最適な投資戦略そのものが変わるのです。
好調な市場環境を前提としたポートフォリオのままでは、予期せぬ大きな損失を被る可能性があります。
だからこそ、景気の転換点においては、ご自身の資産状況を再確認し、守備力を高めるための調整を行うことが求められるのです。
分散投資が下落リスクを軽減する仕組み
分散投資とは、値動きの異なる複数の資産に資金を分けて投資することで、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる手法です。
例えば、株式が下落する局面では、安全資産とされる国債や金の価格が上昇することがあります。
株式と債券を50%ずつ保有していた場合、株価が10%下落しても債券が5%上昇すれば、資産全体の下落は2.5%に抑えることが可能です。
このように、ある資産の損失を別の資産の利益で補うことで、下落リスクを軽減する効果が期待できます。
「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という投資格言が示す通り、投資対象を一つに絞ることは大きなリスクを伴います。
異なる特徴を持つ資産を組み合わせることが、不確実な市場を乗り切るための賢い戦略です。
守りの資産と攻めの資産のバランス調整
ポートフォリオを構築する上で、「守りの資産」と「攻めの資産」のバランスをどう取るかがリスク管理の鍵を握ります。
守りの資産とは、債券や金、生活必需品セクターの株式のように景気変動の影響を受けにくく、価格が安定している資産を指します。
一方、攻めの資産は、高いリターンが期待できるものの、景気後退期には大きく値下がりする可能性がある成長株などです。
リセッションへの備えとしては、この守りの資産の比率を高め、攻めの資産の比率を抑えるリバランスが基本となります。

具体的に、守りの資産はどれくらいの割合にすれば安心なのだろう?

ご自身のリスク許容度にもよりますが、資産の50%以上を目安に守りの資産へ配分することを検討してみましょう。
理想的な資産配分は年齢や家族構成、投資目標によって異なります。
ご自身の状況に合わせて、守りと攻めの最適なバランスを見つけ出すことが、リセッション下での資産防衛につながります。
下落局面での買い増し余力としての現金比率
ポートフォリオにおける現金は、単なる待機資金ではありません。
市場が大きく下落した際に、優良な資産を割安な価格で購入するための「買い増し余力」という重要な役割を担っています。
株価が暴落している局面では、多くの投資家が恐怖心から資産を売却してしまいます。
しかし、手元に十分な現金があれば、冷静に買い向かうことが可能です。
例えば、普段から資産の10%〜20%を現金やそれに準ずる流動性の高い資産で保有しておけば、市場が悲観に包まれた絶好の投資機会を逃さずに済みます。
下落局面で慌てないためにも、一定の現金比率を維持することは精神的な安定にもつながります。
守りを固めると同時に、次の成長への布石を打つために、現金の重要性を再認識しておくことが大切です。
リセッションに強いポートフォリオを構築する5ステップ

景気後退の不安がよぎる中で、ただ手をこまねいているだけでは大切な資産を守れません。
漠然とした不安を行動に変え、計画的にポートフォリオを見直すための具体的な5つのステップが、あなたの資産防衛の羅針盤となります。
これらのステップを一つひとつ着実に実行することで、不況の波を乗りこなし、次の成長機会に備える強固な資産基盤を築くことが可能です。
ステップ1 現在の資産配分の可視化
リセッション対策の第一歩は、ご自身の現在の資産状況を正確に把握することから始まります。
まずは、保有している金融資産をすべてリストアップし、どのような資産クラスにどれくらいの割合で投資しているのかを明らかにしましょう。
証券会社のウェブサイトや、「マネーフォワード ME」のような資産管理アプリを活用すると、日本株、米国株、投資信託、債券、現金といった資産ごとの比率が一目でわかります。
この作業によって、ご自身のポートフォリオが現在どれくらいのリスクを取っているのかを客観的に認識できるようになります。

すべての資産を洗い出すのは、少し面倒に感じますね…

まずは利用頻度の高い証券口座から始めるだけでも、全体像がかなり見えてきますよ
資産配分を可視化することは、健康診断で自分の体の状態を知るのと同じです。
現状を正しく知ることで、初めて有効な対策を立てられるようになります。
ステップ2 自身の投資リスク許容度の再評価
次に、ご自身の「リスク許容度」をあらためて評価します。
リスク許容度とは、資産運用においてどの程度の価格変動、つまり損失の可能性を受け入れられるかを示す度合いを指します。
この度合いは、年齢や収入、家族構成、そして投資経験によって一人ひとり異なります。
例えば、「もし1年間で資産が30%下落した場合、冷静さを保てるか」「その下落が日々の生活に影響を及ぼさないか」といった具体的な質問を自分自身に問いかけてみてください。
景気が良い時には強気になれても、不況が現実味を帯びてくると不安が大きくなるのは自然なことです。

景気が良いときは強気でしたが、いざ不況が近づくと不安です…

感情に左右されず、現在の自分の状況を客観的に見つめ直す良い機会と捉えましょう
リセッションが懸念される局面では、これまでよりも少し保守的にリスク許容度を見積もることが、パニック売りなどの失敗を避けるための冷静な判断につながります。
ステップ3 ディフェンシブ資産の組み入れ比率の決定
リスク許容度を再評価したら、ポートフォリオの守りを固めるためにディフェンシブ資産の組み入れを検討します。
ディフェンシブ資産とは、景気の変動による影響を受けにくく、株価が比較的安定している資産のことです。
具体的には、生活必需品やヘルスケア関連企業の株式、高格付けの債券、そして実物資産である金(ゴールド)などが該当します。
例えば、株式中心だったポートフォリオに、資産全体の10%〜20%程度の債券や金を加えるだけでも、下落相場に対する耐久性は大きく向上します。
| 資産クラス | 特徴 | 具体例(ETF) |
|---|---|---|
| 生活必需品セクター | 景気に関わらず需要が安定 | バンガード・米国生活必需品セクターETF (VDC) |
| ヘルスケアセクター | 高齢化社会で需要が底堅い | バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF (VHT) |
| 公共事業セクター | 安定した収益が見込めるインフラ事業 | バンガード・米国公益事業セクターETF (VPU) |
| 高格付け債券 | 株価下落時の価格変動が小さい | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF (AGG) |
| 金(ゴールド) | 経済不安時に価値が上昇する傾向 | SPDR ゴールド・シェア (GLD) |
ご自身の新しいリスク許容度に合わせてこれらのディフェンシブ資産を組み込むことで、ポートフォリオ全体の値動きを緩やかにする効果が期待できます。
ステップ4 計画に基づいたリバランスの実行
資産配分の目標比率を決めたら、それを維持するためのリバランスを実行に移します。
リバランスとは、資産価格の変動によって崩れてしまった資産配分比率を、あらかじめ決めた目標の比率に戻すための調整作業を指します。
リバランスには主に二つの方法があります。
一つは、目標比率を超えた資産を一部売却し、その資金で比率が低下した資産を買い増す方法です。
もう一つは、新規の投資資金を、目標比率に足りていない資産クラスへ重点的に振り分ける方法です。
どちらの方法でも、高くなったものを売り、安くなったものを買うという投資の基本を自然に実践できます。

どのタイミングでリバランスすれば良いのか迷ってしまいます…

「年末に1回」や「資産配分が目標から5%以上ずれたら」など、事前にルールを決めておくと感情に流されません
感情的な判断を排し、あらかじめ定めたルールに従って機械的に調整を行うことが、長期的な資産形成を成功させるための重要な規律となります。
ステップ5 NISAも活用した積立投資の継続
リセッションの懸念から市場全体が悲観的になっている時でも、積立投資は着実に続けることが重要です。
むしろ、このような局面は長期的に成長が見込める優良な資産を、割安な価格で仕込む絶好の機会と捉えることができます。
定期的に一定額を買い続ける積立投資は、「ドルコスト平均法」の効果を最大限に発揮します。
株価が下落しているときには同じ投資額でより多くの口数を購入できるため、将来の価格上昇局面で大きなリターンにつながるのです。
特に2024年から制度が拡充された新NISAの「つみたて投資枠」は、非課税の恩恵を受けながらこの戦略を実践するのに適した制度です。

株価が下がっているのに買い続けるのは、勇気がいります

過去の歴史を振り返れば、株式市場は幾度もの暴落を乗り越えて成長してきました。未来への種まきと捉えましょう
目の前の価格変動に一喜一憂せず、非課税制度を有効活用しながら淡々と積立投資を継続する。
この規律ある行動こそが、景気回復の波に乗るための最も確実な準備となります。
ポートフォリオの守りを固める主要な資産クラス
リセッション、つまり景気後退の局面で資産を守るためには、値動きの異なる複数の資産クラスへ分散投資することが最も重要です。
株式市場全体が冷え込んでも、ポートフォリオ全体への打撃を和らげる効果が期待できます。
具体的には、景気の影響を受けにくい「ディフェンシブ株式」、株価下落時の緩衝材となる「高格付け債券」、そして経済不安の中で輝きを増す「金(ゴールド)」が守りの中心となります。
| 資産クラス | 特徴 | リスク | 代表的な投資対象 |
|---|---|---|---|
| ディフェンシブ株式 | 景気後退時も需要が安定、比較的値動きが穏やか | 急成長は期待しにくい | 生活必需品、ヘルスケア、公共事業セクターの個別株やETF |
| 高格付け債券 | 株式と逆の値動きをしやすい、定期的な利子収入 | 金利上昇時に価格が下落、インフレに弱い | 米国債、投資適格社債、関連ETF |
| 金(ゴールド) | 経済不安やインフレ時に価値が上昇、実物資産 | 金利を生まない、価格変動が大きい | 金地金、金連動型ETF |
これらの資産を自分のリスク許容度に合わせて組み合わせることが、下落リスクをコントロールし、精神的な余裕を持って相場に向き合うための鍵となります。
景気の影響を受けにくいディフェンシブ株式
ディフェンシブ株式とは、景気の動向に業績が左右されにくい、守りに適した性質を持つ企業の株式を指します。
景気が悪化して人々の消費意欲が落ち込んでも、食品や医薬品、電気・ガスといった生活に不可欠な商品やサービスの需要は簡単にはなくなりません。
そのため、不況下でも業績が安定しており、株価の下落幅が比較的小さく抑えられる傾向にあります。

ディフェンシブ株式って、具体的にどんなセクターがあるの?

代表的なのは「生活必需品」「ヘルスケア」「公共事業」の3つです。
ポートフォリオにこれらのセクターの株式を組み入れることで、株式市場全体が下落する局面でも、資産の目減りを抑える効果が期待できます。
株価下落時のクッション役となる高格付け債券
高格付け債券とは、国や信用力の高い企業が発行する、債務不履行(デフォルト)のリスクが低い債券のことです。
株式と債券は逆の値動きをする傾向があり、株価が大きく下落するリスクオフの局面では、安全資産とされる高格付け債券に資金が流入し、価格が上昇しやすい性質を持ちます。
この働きによって、ポートフォリオ全体の値下がりを和らげるクッションのような役割を果たします。

債券にもいろいろ種類があるけど、どれを選べばいいんだろう?

まずは信用度の高い国が発行する国債や、米国債券市場全体に投資できるETFから検討するのがおすすめです。
株式100%のポートフォリオに比べて、値動きが穏やかになるため、相場が荒れている時でも冷静な投資判断を保つことにつながります。
経済不安の中で価値が高まる金ゴールド
金(ゴールド)は、そのもの自体に価値がある実物資産であり、株式や債券といった金融資産とは異なる値動きをするのが特徴です。
「有事の金」という言葉があるように、世界的な金融危機や地政学リスクが高まると、その価値の保存機能から資金の逃避先として買われる傾向にあります。
資産の5%から10%程度を金に配分することで、インフレ対策としても機能します。

金の現物を買うのは大変そうだけど、手軽に投資する方法はある?

金価格に連動するETF(上場投資信託)を利用すれば、証券口座で株式と同じように手軽に売買できます。
ポートフォリオに金を加えることは、株式や債券だけでは防ぎきれない未知のリスクに対する保険となり、資産防衛の強度を一層高めます。
生活必需品セクターの代表的な銘柄とETF
生活必需品セクターとは、食品、飲料、家庭用品など、景気に関わらず人々が日常的に消費する製品やサービスを提供する企業群を指します。
不況下でも安定した収益を確保しやすく、継続的に配当を支払う高配当株が多いことも大きな魅力です。
代表的な銘柄やETFには、以下のようなものがあります。
| 銘柄(ティッカー) | 企業概要 |
|---|---|
| プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | 「パンパース」や「ファブリーズ」などを展開する世界最大の日用品メーカー |
| コカ・コーラ(KO) | 炭酸飲料で世界首位、ウォーレン・バフェット氏が長期保有する銘柄として有名 |
| 花王(4452) | 「アタック」や「ビオレ」などトイレタリー製品で国内首位 |
| バンガード・米国生活必需品セクターETF(VDC) | 米国の生活必需品セクターの主要企業へまとめて分散投資が可能 |
生活必需品セクターは、ポートフォリオに安定性をもたらす土台となるため、守りを固める上で中心的な役割を果たします。
ヘルスケアセクターの代表的な銘柄とETF
ヘルスケアセクターは、医薬品、医療機器、医療サービスなど、人々の健康に関わる事業を展開する企業で構成されています。
病気の治療や健康維持への需要は景気に左右されません。
加えて、世界的な高齢化の進展という長期的な成長要因も追い風となっており、守りと攻めの両方の側面を併せ持つセクターです。
| 銘柄(ティッカー) | 企業概要 |
|---|---|
| ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 医薬品、医療機器、消費者向け製品を手がける総合ヘルスケア企業 |
| ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | 全米最大の医療保険会社 |
| 武田薬品工業(4502) | 国内製薬会社の最大手、グローバルに事業を展開 |
| バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF(VHT) | 米国のヘルスケアセクター全体に手軽に分散投資できるETF |
ヘルスケアセクターへの投資は、ポートフォリオの安定性を高めつつ、長期的な成長も狙える魅力的な選択肢といえます。
公共事業セクターの代表的な銘柄とETF
公共事業セクターには、私たちの生活に欠かせない電気、ガス、水道といった社会インフラを提供する企業が含まれます。
これらのサービスは生活必需品以上に需要が安定しており、政府による規制で事業が守られているため、極めて安定した収益と高い配当利回りを期待できるのが最大の特徴です。
| 銘柄(ティッカー) | 企業概要 |
|---|---|
| ネクステラ・エナジー(NEE) | 米国最大の電力会社、再生可能エネルギー分野のリーディングカンパニー |
| デューク・エナジー(DUK) | 米国で広範囲に電力・ガスを供給、安定した配当で知られる |
| 関西電力(9503) | 近畿地方を地盤とする大手電力会社 |
| バンガード・米国公益事業セクターETF(VPU) | 米国の公共事業セクターの銘柄に幅広く投資が可能 |
金利上昇局面では株価が軟調になる傾向もありますが、ポートフォリオに安定したインカム(配当収入)をもたらす、守りの要となる資産クラスです。
過去の金融危機から学ぶ投資の心構え
リセッションの不安がよぎると、過去の暴落が頭をよぎり、冷静でいられなくなるかもしれません。
しかし、歴史は繰り返します。
過去の金融危機から得られる教訓は、未来の不確実性を乗り越えるための羅針盤となります。
最も重要なのは、市場のパニックに惑わされず、長期的な視点を貫き通すという強い意志を持つことです。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 感情的な売買の回避 | 市場の短期的な動きに惑わされず、計画通りの投資を継続 |
| 弱気相場の捉え方 | 優良な資産を割安価格で購入できる絶好の機会 |
| 市場の回復パターン | 歴史的に見て、市場は暴落後に必ず回復してきたという事実 |
| オールウェザーポートフォリオ | あらゆる経済状況に対応できるよう設計された分散投資戦略 |
過去の賢人たちの知恵とデータに学ぶことで、私たちはリセッションという嵐の中でも航路を見失うことなく、資産を守り育てていけます。
感情的な売買を避けるためのマインドセット
感情的な売買とは、市場の恐怖や熱狂に流されて、あらかじめ立てた計画に基づかない衝動的な取引をしてしまうことを指します。
特に株価が連日下落するような局面では、恐怖心から「これ以上損をしたくない」と保有資産をすべて売り払ってしまう「狼狽売り」に走りやすくなります。
2008年のリーマンショックでは、S&P500指数が1年あまりで約57%も下落しました。
この時、多くの投資家が恐怖に耐えきれず株式を売却しましたが、その結果、損失を確定させただけでなく、その後の力強い回復局面で得られたはずの大きなリターンを逃すことになりました。

株価が毎日下がると、怖くて全部売りたくなってしまいます…

市場から退場しないことが、何よりも重要ですよ
市場の短期的な動きを完璧に予測するのは不可能です。
大切なのは、なぜその資産に投資したのかという原点に立ち返り、自分の投資ルールを機械的に守り続けることです。
それが感情の波に乗りこなすための最も有効なマインドセットといえます。
弱気相場を優良資産の仕込み時と捉える視点
弱気相場とは、市場全体が長期間にわたって下落傾向にある状態です。
多くの投資家が悲観的になり、資産を現金化しようと動くこの時期は、見方を変えれば優良な資産を割安な価格で購入できる絶好の機会となります。
世界一の投資家として知られるウォーレン・バフェット氏は「他人が臆病になっているときに貪欲になれ」という有名な言葉を残しています。
実際に彼は、市場がパニックに陥ったリーマンショックの渦中でゴールドマン・サックスやゼネラル・エレクトリックといった優良企業に大規模な投資を行い、のちに莫大な利益を上げました。
| 視点 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 悲観は最大の友 | 市場が恐怖に包まれている時こそ、冷静に投資機会を探す |
| バーゲンセールと捉える | 普段は高くて手が出せない優良企業の株を安値で仕込む |
| 長期的な成長を信じる | 一時的な下落ではなく、数年後の企業の成長性に着目する |
すべての人が恐怖を感じている時にこそ、冷静に企業の本質的な価値を見極め、行動することが大切です。
弱気相場を資産形成の「バーゲンセール」と捉える視点を持つことで、危機を大きなチャンスに変えられます。
歴史が示す暴落後の市場回復パターン
下落相場の最中にいると、このまま資産価値がゼロになってしまうのではないかという不安に襲われることがあります。
そんな時、心の支えとなるのが歴史的なデータです。
過去を振り返ると、世界の株式市場は幾度となく暴落を経験しながらも、最終的には必ず回復し、右肩上がりの成長を続けてきたという厳然たる事実があります。
例えば、米国の代表的な株価指数であるS&P500は、第二次世界大戦後だけでも10%以上の下落を30回以上経験していますが、そのすべてにおいて下落前の水準を回復し、さらに高値を更新してきました。
ITバブル崩壊やリーマンショックといった深刻な金融危機の後でさえ、市場は力強く立ち直っています。

本当に元の価格まで戻るのか、信じきれない時があります…

歴史は繰り返します。長期的な視点で見れば、回復力は明らかです
もちろん、回復までにかかる時間はその時々で異なります。
しかし、長期的な視点に立てば、経済は成長し、企業の価値は向上していくという原則を信じて投資を継続することが、暴落を乗り越えるための最も確実な方法です。
全天候型と呼ばれるオールウェザーポートフォリオ
オールウェザーポートフォリオとは、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であるレイ・ダリオ氏が提唱した、どのような経済状況でも安定したパフォーマンスを目指す資産配分戦略です。
その名の通り、「全天候型」の運用を目指します。
この戦略の根幹にあるのは、経済の先行きを「経済成長率」と「物価上昇率(インフレ率)」の2つの軸で捉え、それぞれが市場の期待を上回るか下回るかで4つの局面に分類する考え方です。
そして、各局面でそれぞれ強みを発揮する資産をバランス良く組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを低減します。
| 資産クラス | 推奨配分比率 | 役割 |
|---|---|---|
| 株式 | 30% | 好景気時に成長 |
| 長期国債 | 40% | デフレや景気後退時に価格上昇 |
| 中期国債 | 15% | 金利変動リスクを抑制 |
| 金(ゴールド) | 7.5% | インフレや通貨不安時に価値上昇 |
| 商品(コモディティ) | 7.5% | インフレ時に価格上昇 |
未来を正確に予測することは誰にも不可能です。
だからこそ、オールウェザーポートフォリオのように、好景気、不景気、インフレ、デフレといったあらゆる「天気」に対応できるような資産の組み合わせを考えておくことが、長期にわたって安心して資産運用を続けるための知恵となります。
よくある質問(FAQ)
NISAでの積立投資は、リセッションが懸念される状況でも続けるべきですか?
はい、続けるべきです。
価格が下落している局面は、同じ投資額でより多くの口数を購入できる絶好の機会になります。
NISA口座の非課税メリットを最大限に活かすためにも、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で積立投資を継続することが資産形成の鍵となります。
全世界株式インデックスファンド1本で投資していますが、リセッション対策は必要でしょうか?
全世界株式は優れた分散投資先ですが、景気後退期には世界中の株式が同時に下落するリスクがあります。
現在の投資をコア(中心)としつつ、守りを固めたい場合はサテライト(補完)として、株式とは異なる値動きをする債券や金をポートフォリオに加えるコアサテライト戦略が有効な選択肢です。
不況に強いポートフォリオを組む際、債券の割合はどれくらいが適切ですか?
一般的に「年齢と同じ割合(%)を債券にする」という考え方がありますが、これはあくまで目安の一つです。
ご自身がどれだけのリスクを受け入れられるかによって最適な割合は異なります。
まずは資産の10%〜20%を債券に配分することから始め、ご自身の資産状況やリスク許容度に合わせてアセットアロケーションを見直しましょう。
景気後退と同時にインフレも心配です。どのようなインフレ対策がありますか?
インフレは現金の価値を実質的に目減りさせます。
有効な対策としては、インフレに強いとされる実物資産の金(ゴールド)への投資が挙げられます。
また、商品やサービスの値上げによって収益を維持しやすい生活必需品セクターやヘルスケアセクターの株式も、インフレに強い資産といえます。
株価が下落している今、すぐにリバランスすべきでしょうか?
感情に任せて慌ててリバランスを実行するのは避けるべきです。
「資産配分比率が目標から5%以上ずれたら」「半年に一度」など、あらかじめ決めておいた自分自身のルールに従って機械的に行うことが重要です。
ルール通りのリバランスは、結果的に価格が下がった資産を買い、価格が上がった資産を売ることにつながります。
過去の暴落から個人投資家が学ぶべき最も重要な教訓は何ですか?
最も重要な教訓は「恐怖に負けて市場から退場しないこと」です。
過去の歴史を振り返ると、株式市場は数々の暴落を乗り越えて必ず回復してきました。
狼狽売りをしてしまうと損失が確定するだけでなく、その後の回復によるリターンを得る機会も失います。
資産防衛の基本は、分散投資されたポートフォリオを信じ、市場に居続けることです。
まとめ
この記事では、リセッション(景気後退)の不安から大切な資産を守るための、具体的なポートフォリオの組み方を5つのステップで解説しました。
不況下で最も重要なのは、市場の雰囲気に流されず、ご自身の計画に従って冷静に行動することです。
- 現在の資産状況とリスク許容度の再確認
- ディフェンシブ資産(債券や金など)の組み入れ
- 事前ルールに基づくリバランスと積立投資の継続
漠然とした不安を行動に変えるために、まずはこの記事で紹介した5つのステップの第一歩である「現在の資産配分の可視化」から早速始めてみましょう。

