2024年、Mrs. GREEN APPLEの楽曲「ライラック」と、伝説のフリーゲーム『ゆめにっき』のBGMが「似ている」とSNSで話題になりました。特に「笛の部屋」のメロディと、ライラックのイントロに不思議な共鳴を感じるという声が続出。この記事では、両者の共通点や考察文化、楽曲の音楽的構造までを深掘りし、なぜここまで話題になっているのかを解説していきます。
ゆめにっきとライラックの音楽的共通点の分析
パクリ疑惑が浮上した経緯と拡散の背景
SNSを中心とした考察文化とその楽しみ方
両作品が現代カルチャーに与える影響
夢と現実の間で響く旋律 〜ゆめにっきとライラックの不思議な共鳴〜

懐かしくも新しい出会い – ふたつの作品
ある日、何気なくスマートフォンで流れてきた曲。Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」という新曲でした。爽やかで青春感あふれるメロディに心惹かれる一方、どこか懐かしさを感じる不思議な既視感。そう、それは懐かしいフリーゲーム「ゆめにっき」の「笛の部屋」のBGMでした。
ひとつは2004年に生まれた伝説的インディーゲーム、もうひとつは2024年にリリースされた人気バンドの楽曲。20年もの時を経て、これらの作品が奇妙な形で交差している現象に、インターネット上では様々な声が上がっています。
ゆめにっきの不思議な世界

「ゆめにっき」は、ききやまによって作られたRPGツクール2003製のフリーゲームです。2004年に最初のバージョンが公開され、その独特の世界観と謎めいた雰囲気で根強いファンを獲得してきました。
このゲームでは、主人公の少女(ファンの間では「窓付き」と呼ばれる)を操作して「夢の中」を探索します。特にストーリーや明確な目的はなく、広大な夢の世界を自由に歩き回るという、一見シンプルながらも深い体験を提供してくれます。
とても暗い雰囲気の、夢の中(という設定)の世界を歩き回るゲームです。特にストーリーや目的はありません。歩き回るだけのゲームです。夢の中で特定のキャラをチェックすると「エフェクト」が増えます。Steam:ゆめにっき
ゲーム内には「エフェクト」と呼ばれるアイテムが点在しており、それらを収集することで新たな場所へ行けたり、キャラクターの外見を変えることができます。しかし、それらのエフェクトがどんな意味を持つのか、何のために収集するのかは、プレイヤーの想像に委ねられています。
笛の部屋とその印象的なメロディ
「ゆめにっき」の中でも特に印象的な場所のひとつが「笛の部屋」です。この場所では、丸いスピーカーのような姿の人物が静かに佇んでおり、独特のメロディが流れています。シンプルながらも心に残る旋律は、多くのプレイヤーの記憶に刻まれました。
このBGMは、原作者のききやまさんが自作したものとされています。RPGツクールの標準素材ではなく、ゲーム内で使用されているグラフィック・BGM・効果音などの素材は、すべて作者の独自アセットが用いられているのです。
Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」
一方、Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」は、2024年4月にリリースされた楽曲で、TVアニメ「忘却バッテリー」のオープニングテーマとして使用されています。青春の輝きや春の訪れを感じさせる爽やかなメロディと、美しい歌詞が特徴です。
GREEN APPLEの「ライラック」は、過ぎてゆく日々の中で美しい数字が増えるように歌われています。青春の青とライラックの春を感じさせる歌詞に、失くしてしまう僕らの探し物や傷を増やしてしまう理由について考えさせられます。Mrs. GREEN APPLE【ライラック】歌詞の意味を考察!青春の輝きと失くした何かについて
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奇妙な共鳴 – 二つの旋律の類似性
2025年4月、インターネット上で「ライラック」と「ゆめにっき」の「笛の部屋」のBGMの類似性について話題が広がりました。特にサビ部分のメロディが非常に似ているという指摘が多く見られます。
「ライラックとゆめにっきの笛の部屋はメロディーほぼ一緒と胸を張って言える」Xより
音楽的には、両者ともにⅠ→Ⅴというコード進行を基調としており、メロディラインの動きにも類似点が見られます。こうした音楽的特徴の共通点が、多くのリスナーに「どこかで聴いたことがある」という感覚をもたらしているのでしょう。
時空を超えた影響、それとも偶然の一致?
この類似性について、「パクリではないか」と疑問を呈する声もありますが、「良いメロディは偶然にも似てしまうことがある」という見方もあります。
「ゆめにっき」は20年前のゲームでありながら、今なおその独特の世界観とともに多くのクリエイターに影響を与え続けています。『UNDERTALE』や『OMORI』など、多くの有名インディーゲームの開発者たちも、「ゆめにっき」からインスピレーションを得たと公言しています。
音楽においても、星野源の「夢の外へ」など、「ゆめにっき」から着想を得たとされる作品が存在します。それほどまでに、この小さなフリーゲームの文化的影響力は大きいのです。
夢と現実を繋ぐ旋律

「ゆめにっき」と「ライラック」。一見すると全く異なるジャンル、異なる時代の作品が、メロディという目に見えない糸で繋がっているかのような現象は、私たちの創造性と記憶の不思議さを示しています。
「ゆめにっき」が描く夢の世界は、現実とは切り離された場所でありながら、どこか現実の反映でもあります。同様に、「ライラック」の歌詞も、日常の中に見出す美しさや儚さを描いています。両者は、表現方法は違えど、私たちの内面や記憶、感情という目に見えない世界を表現しているという点で共通しているのかもしれません。
2024年6月、「ゆめにっき」は20周年を迎えました。その長い時を経ても色褪せない魅力は、今なお新しいクリエイターたちの創造性を刺激し続けています。そして「ライラック」のような新しい作品との偶然の共鳴は、文化が時空を超えて影響を与え合う様子を示す、興味深い現象と言えるでしょう。
夢と現実の境界、過去と現在の交差点。そこに生まれる小さな共鳴は、私たちの心の奥底に眠る記憶を優しく揺り起こし、懐かしさと新鮮さが混ざり合った独特の感覚をもたらしてくれます。
今回の記事はいかがでしたか?
あなたも「ゆめにっき」を知っていますか?それとも「ライラック」から逆に「ゆめにっき」を知りましたか?どちらも素晴らしい作品なので、まだ触れていない方は、この機会にぜひ体験してみてください。夢のような世界と、心に残るメロディが、きっとあなたの心を豊かにしてくれるはずです。